SLAM LiDARを使ったクリアランス確認MV

3Dマッピング SLAM LiDARを使ったクリアランス確認

概要

SLAM LiDAR(LiDAR SLAM、スラムライダー、ライダースラムと表記されることもある)とは外界情報を用いて自己位置を特定し計測を行うLiDAR機器のことで、動き回りながらの計測が可能なスキャナです。SLAM LiDARの特徴は精度としては固定式レーザースキャナ(TLS)には及ばないものの、歩き回ることができるので広範囲を圧倒的な速さで計測できる点にあります。
今回使用するFARO OrbisはこのSLAM LiDARの一種で、手に持って歩き回りながらの計測が行えるハンディタイプのものです。

FARO Orbis

クリアランス確認とはすでに既存の構造物があるところに大型の機械を搬入したり、重機を動かしたりする際に構造物に干渉しないかどうかの確認を行うもので、工事を行う際には一定数は必ず行われるものです。

クリアランス確認においては機械動作を数mm精度で行うことはあまりないため、cm未満の高い精度で計測を行う意味は基本的にありません。反面搬入方法・経路次第では広い範囲の計測が必要になるため計測速度は速い方が便利です。

即ち、クリアランス確認計測はSLAM LiDARが最も優位な分野のうちの一つだということになります。

具体例

弊社関連会社の倉庫にて、入口周りの電線・構造物の計測を行いました。

門柱間やガードレール間の距離などはこの程度の数であればメジャーで測るのと手間はさほど変わりませんが、計測漏れの防止や作業者の記録に依存しない客観的エビデンスとして価値があると思われます。 電線の高さは直接メジャーを電線に引っ掛けるわけにもいかないため従来は目視計測に頼っていましたが、SLAM LiDARを用いることにより初めて正確な数値が判明しました。

その他の事例

高速道路下道路のクリアランス計測

高速道路の桁構造まではっきりわかるデータが取れています。(クリックすると拡大します。)

高速道路と鉄道の間を縫って設置されている歩道の計測

エレベーション(高さ色付け)表示
RGBカラー表示

複雑な形状の計測においても歩きながら計測できるため苦になることはありません。 これだけの範囲の計測も僅か17分程度で完了します。

3次元点群で取得しているため、複雑な構造全域のすべての箇所で寸法計測が可能です。

まとめ

本記事ではSLAM LiDARの実用例を紹介いたしました。今後も実際の計測事例を紹介していきたいと思います。 弊社ではSLAM LiDAR「Orbis」の販売の他に計測作業請負を行っています。既設構造物の3次元化に興味があれば、下記リンクからの問い合わせをお願いします。

今回使用したSLAM LiDARはこちら